2024年9月10日、日本エネルギー総合システム株式会社(JPN)は、九州エリアで進めていた「霧島蓄電所」の系統接続が完了し、稼働を開始したと発表しました。このプロジェクトは、JPNによる系統用蓄電池事業の第1号案件であり、株式会社グリーンエナジー&カンパニーおよび合同会社DMM.comとの3社共同出資による「合同会社霧島蓄電所」が設立されました。
霧島蓄電所の概要
霧島蓄電所は、JPNが開発・運用・メンテナンス(O&M)を担当する系統用蓄電池プロジェクトで、今回設立された合同会社霧島蓄電所がアセットを保有します。3社は、事業運営の基盤を強化するとともに、RE100電力株式会社が開発したアグリゲーションシステムを活用し、電力運用の最適化を図る予定です。また、卸電力取引市場(JEPX)のスポット市場や時間前市場、需給調整市場など、複数の市場取引を組み合わせた運用により、事業性を確保していく方針です。
事業の背景と目的
日本では、2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、再生可能エネルギーの導入が進められていますが、電力需給バランスを保つために再エネ発電の出力制御が頻繁に行われている現状があります。特に九州エリアでは、2024年度に約1,000GWhの出力制御が予測されており、制御率は6.1%に達すると見込まれています。このような状況に対応するため、JPNは、安定した電力供給を実現しながら再エネの有効活用を進めるため、系統用蓄電池事業を積極的に展開しています。
7月には、現地見学会を開催し、現在も複数の事業者と協業の可能性について議論が進められています。今後もJPNは、全国各地で系統用蓄電池事業を拡大し、電力システムの需給バランスを安定させ、さらなる再エネ導入の促進に貢献していく計画です。